大学での学びや研究で大切なのが、学んだことを基に自身のオリジナルの考えを築き、レポートや論文などを通じて他者に伝えられるようになること。
高校までの正解を求める勉強とは異なり、自分で問いを立て、アイデアを生み出すためには、思考力を養うことが必要です。「当たり前と言われていることを疑い、自らの力で答えを生み出す」考え方は、社会に出てからも必ず求められます。
そこで、川路ゼミでは、「ひらめきを毎日ノートに書き続ける」といった方法で、思考力を磨いています。毎週のゼミでは、一週間で思いついたアイデア数とその中で一番良かったアイデアを全員が発表します。優れたアイデアが発表された際は、実現できそうな企業に企画書を送ることも。企業からのレスポンスを基に、現在のアイデアに足りないものに気付き、新しいアイデアを生み出す学生もいます。毎日ノートに書き留めていくことで、筋トレのように思考力が自然と身についていくのです。
既存の枠にとらわれない様々なテーマで研究を行えるのも情報社会学科の強み。「アニメ聖地はどこからが聖地といわれるのか」といったテーマで研究を行った学生もいます。一見、しっかりした研究になるのか不安にも思えるテーマですが、コミックマーケットなどを中心に150人ほどに聞き取り調査し、一般のメディアでも取り上げることが増えつつも漠然としているアニメ聖地の条件を特定しました。
研究の指導を担当した川路先生は「内向的で人と積極的に関わることが難しかった学生も、興味がある分野の研究ではしっかりと主体性を持って調査や論文の執筆を行うことができます。どんな学生もみんな好きなものを持っている。それをどうやって研究や社会に生かしていけるのか、大学時代はそれを考える環境に恵まれた期間です」と話してくれました。川路ゼミでは、学部生の学会参加の機会を積極的に設けており、2020年度は2名の学生が研究発表を行いました。
また、大学以外の人と交流することも、思考を鍛える上で欠かせません。毎年、2年次に大分県の安心院(あじむ)にある農家に宿泊し、就農体験を行っています。環境や価値観が異なる人の前で自分の考えを話し、コミュニケーションを積み上げていく経験は、4年次に就職活動を行う上でも大きな力になります。
学生の好きなものや気づきをそれぞれの強みや仕事に生かせるように、情報社会学科では座学や演習を通じて学びをサポートしていきます。
川路 崇博
情報社会学科 准教授
神奈川県生まれ(1974年)、鹿児島県育ち。北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科博士後期課程修了(2008年)。いくつかの民間企業を経て(有)Phase8設立(2003年)。専門は、創造学・情報学・経営学などを横断した分野。講義では、情報教育はもとより創造学に基づく知識創造の方法も担当。著書に「情報発 情報・ネットワーク・社会」(梓書院)、「実例で学ぶ創造技法」(日科技連)。
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