「わたし」と「大きな社会」の接点を学ぶ社会学

情報社会学科では、地域や社会に関する調査の基本を1、2年次に学び、ゼミごとにそれぞれのテーマで社会調査を行います。また、これらに主体的に取り組める力を養うための社会に関する基本的知識に学ぶ講義もあわせて展開しています。

たとえば、「現代社会の探究Ⅰ」や「若者文化と学び」の講義では、社会学の若者論や青年期教育論の知見を交えながら、身近なテーマから社会問題について学びます。

労働やキャリア形成、貧困や教育といったテーマの具体的な事例を紹介します。これまでの生活や学習といった「社会」での経験が、大きな社会の問題とどうつながっているのか、現代社会はどのようなものなのか。そして、自分がいざ社会に出たときにどんなことが起きるのか、どんなことに困る可能性があるのかを考えていくのです。

自分ごととして考えられる具体的な事例を元に自身の考えを整理し、自らのこれまで・これからのキャリア観をとらえ直すことを経て、身近な関心事が大きな社会問題につながることを学びます。そうやって社会問題の解決に向けて取り組んだり、調査や研究を行ったりするための力が養われるのです。

また、講義を一方向的に聞くだけではなく、学生同士で議論をすることもあります。自分とは異なる意見や考え方を聞くことで、ものの見方を広げ、深めることができるからです。

同講義を担当している小田先生は「学生同士の議論は、知識や考え方を学ぶことと同じぐらい大切。間違ったことを言ったらどうしよう、という気持ちがあるかもしれませんが、大学での学びは正解が一つとは限りません。自身の出した答えが、社会や身近な人間関係に対する大切な知見であることも多々あるのです。自分の意見を他者に伝える方法を獲得し、そのうえで、議論を活性化するためにどんなコミュニケーションが必要であるのかを学ぶことが大切です」と話してくれました。

授業の学​期末​にはレポートも執筆します。読んだ人が理解、納得できるように、文献やデー タを参考にしながら自らの考えを記していきます。講義や文献から得た知識、議論、レポート執筆はどれも4年じに卒業論文を執筆するうえで欠かせないものです。

2年次には、地域社会の調査にも出かけます。先述の小田先生のゼミでは、筑後地域のお茶をテーマに、お茶に関する施設や企業にコンタクトを取り、社会調査を行っていきます。事前にグループに分かれて、お茶に関連する文献や情報を整理し、質問事項を作成して調査に臨んでいます。

2019年度の地域社会調査時の写真。八女市星野村にある茶の文化館を訪問し、調査や和菓子づくり体験を行いました。2020年度は八女茶の生産者の方に、生産や広報活動の現状・方策について伺いました。

調査を通じて、地域社会に関する学びだけでなく、社会で求められるコミュニケーションやマナー、スケジュールの管理、調査結果のアウトプットの方法などが身に着けられるのです。

3年次以上からは1年次、2年次で培った能力を武器に、各自の関心に応じて、地域や社会に関する現状分析や課題解決を学び、卒業論文を執筆していきます。

小田 茜

情報社会学科 講師

専門分野は教育学(青年期教育論)。担当科目「現代社会の探究Ⅰ」「若者文化と学び」では若者を取り巻く労働や家族、趣味や進路選択、学びの場の現状について、身近な例を基に授業を展開。研究テーマは「趣味を仕事にする若者のキャリア形成・教育に関する研究」で、主に高校卒業後の教育機関に焦点を当てその実態・意義を検討している。

筑後のよかとこレゲエで伝えるばい! 〜学生グループckgzの活動について〜 発想のプロ直伝・すごいひらめきやアイデアを生み出す思考力はこうやって鍛える!
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